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首を長くして聴いてる

お笑いのライブに行った話と、時々音楽の話をします。

アカウントも世界もバラバラになっていくかもしれない未来の話

ふつうの話

この前まで、クラブワールドカップやってたじゃないですか、鹿島アントラーズレアル・マドリードの決勝、見ました? 私はその日居酒屋のバイトだったんですけど、普段はつけないテレビでそれ流してて、お客様がみなさんで見てて盛り上がってたんですよね。サッカー嫌いじゃないし、柴崎さんなんて地元の星ですからまあ応援してるんですけど、いや、テレビつけるならTHE MANZAI見たいなあってなってました。裏番組で、THE MANZAIやってたんですよ、見ました?ねえ、どっち見てました?周りの人は何見てました?

 

情報の選択とSNSの「私」の話、そこから「世界がバラバラになって縮小する」話をしたいと思っています。まだ結論が出ていないやつですが、最近同じようなことを考えているなという人に何人かお会いしたので、ちょっとしたメモです。

 

アカウントを分ける

まずはご質問なのですが、Twitterのアカウント、何個持ってますか?どう使い分けていますか?

私の、このブログとリンクさせているTwitterのアカウントは、基本的に芸人、バンドマン、ライブ情報やナタリーみたいなエンタメ系のニュースアカウント、あとはお笑いが好きな方々をフォローしています。私はそのほかにアカウントを5つくらい運用していていますね。ひとつは昔からずっと使っている「リアルな友達」をフォローして、友達と話したり試験の情報なんかを確認するためのアカウント、次は就活関係のアカウントをフォローするだけのやつ(こういうのをフォローしていると意識の高いやつだと思われて嫌なんですよ、なんか)、次がダイエットやら美容の情報だけをフォローしてレコーディングダイエットをするやつ(体重とか人に見せたくないので。でも最近ツイートしてないな、そりゃ痩せねえわ)、あとは仲の良いお友達数人だけに見せてやりとりする「裏アカウント」ですかね。だいたいそんな感じです。

 

Twitter上で、何の正確性もない、ちょっとしたアンケートを取らせていただいたのですが、多くの方がアカウントを複数持っているようでした。

 

お笑いアカウントを分けている人よりも、分けていない人の方が多いみたいですね。世代別に分けたらもうちょっと違う結果になりそう。

私がお笑いのアカウントを分けている理由、いくつかあるのでご紹介します。まず「ツイートを見る」点から言えば、お笑い芸人さんって猛烈な数がいらっしゃいますし、バンドも無限にありますし、それだけで結構なフォロー数になるんですよね。だから、普段の友達のツイートなんかと混ぜてると見逃しちゃったりするような気がするじゃないですか。あと賞レースなんかの時にはタイムライン上でみんながそれに関して呟いてて、一緒に見てるような感じがして楽しいし。アカウント分けなくても、リストを使えば良いのでは?というご意見もあるかとは思うのですが、公式のアプリ使ってるとリストって見づらいんですよね…。ちなみにリストも使っています。ライブオフィシャルのアカウント、ケイダッシュの芸人さん、よくリプライをしあう人、くらいの分け方です。そんなにいつも見ているわけではないです。

「ツイートをする」面から言うと、ライブで新しく面白いなと思った芸人さんの名前とか言っても、普段のアカウントだと「誰?」ってなるところを「その人私も好き〜」みたいな反応があったりするのが嬉しいなと思ったりしますね。いろいろ教えてくれたりするお笑いに詳しい先輩方がいますしね。あとはなんだろう、「お笑いだけの繋がり」の人とのやりとりをリアルな友達に見られるのはなんとなく違和感がある、と言うところでしょうか。芸人さんにリプライをすることはほとんどないのですが、それを含めて。

基本的にはアカウント分けて良かったなと思っていますね、現状、そこまでデメリットはないなあと思っています。

このへんの話について、お世話になっている方が先行研究をご紹介してくださったので御関心ある方は是非ご覧ください。ちゃんとした論文です。

CiNii Articles 著者検索 - 高橋 みちな

 

隔絶された世界みたいなやつ

次に、そんな感じで「アカウントを分けて」Twitterを使っているとどうなるか、みたいな話です。 

この先、もしも、趣味に応じてアカウントを分けることが多くなっていく未来があるとしたら、お笑いが好きな人達がお笑いが好きな人達だけで「内輪ウケ」で楽しんで、どんどん、自分たちだけで盛り上がって、内側に深く深く入り込んでいけば行くほどに、例えば「新規参入」が難しく感じたり、そもそも他所からはその世界が見えなくなってしまっていたりすることって、なきにしもあらず、だったりするのではないでしょうか。お笑いに限らずです、これは。インディーズバンドや地下アイドルの世界も多分きっとそうです。たぶん。

他所から見えなくなるってたとえば、そういう「ゴリゴリの」お笑いの世界があること、そしてそういう世界が好きな自分のことを、現実の友達はあまり知らない、みたいな人もいるのかもしれないなと思ったりしてしまいます。バイト先とかで、「趣味は?」「お笑いとか好きなんですよ」「誰が好きなの?」「いや、あの、言ってもわかんないと思うんで…」「試しに教えてよ!」「〇〇ってコンビとか…」「ああ、知らないわ…」「ですよね…」みたいな、そこから下手したら会話が盛り上がらない、みたいなこと、ご経験ありませんか?私はあります。興味持ってくれて話が広がることもあるんですけどね!全然!

 

その世界の中だけで、その世界の中の言葉で、その世界で起こっていることだけを話しているのは本当に楽しいなと思います。同質な人達といるのは安心するし、心地よい。その流れでもう少し深く、秘密の話を共有することが近しい関係性を証明するような何かになる感覚は小・中学生の頃に味わった方も多いのではないかなと思います。それでいいんですよ、全然。私もそうしていたいなと思います。ただ、でも、少しだけ視点をあげたときに、こうやって少しずつ世界は分裂して分裂して分裂していったら、どんな未来が来るんだろうなと、そんなことを思います。

 

テレビと劇場の世界

テレビに出ていないような人達が出る「東京のお笑いライブ」の世界って、東京のその近郊に住んでいる、ごく少ない数の人達が、毎月たくさんライブに行って、それで小さく小さく、回っているだけだなと思ったりします。そろそろ、話したことないのに、何回も見たことある人とかいますもんね、この半年かそこらの話で、ですよ。ちょっと嬉しいんですけどね!この人またいる!好きな芸人さん一緒なのかな!嬉しい!みたいな。

先日ちょっと詳しい方に伺ったのですが、そういう人ばかりになった結果「普通のネタライブ」じゃもう人が集まらなかったり楽しめなかったり、ということがあるらしいです。見る側の目が肥えすぎて、どんどん深いところにハマっていって、普通の楽しいネタじゃ笑えなくなって、みたいなこともあるのかもしれないですね。

 

テレビの時代が終わったみたいなことを言う人はたくさんいるし、私もそんなにテレビっ子とかではないのですが、でも、半ば強制的に、大量の人々に与えられる情報のシャワーみたいなものとしてのマスメディアの力はまだまだ強いなと思います。大学の友達の方のアカウントでサッカーの話が盛り上がっている時に、お笑いの方のアカウントではTHE MANZAIの話ばっかりで、ダイエットのアカウントはそんなこと関係なくみんな、自分の体重の増減に一喜一憂していました。(でもどこでも「逃げるは恥だが役に立つ」の話は目に入ってくる感じの、それですよ。星野源新垣結衣はさすがに強いっすね。)

 

みんなサッカー見てるわけねえだろってそれはそうで、お笑い好きな友達もたくさんいますよもちろん!いっつも千鳥の話する先輩とかね、私より全然M-1とか詳しくて最高なんですよ。でも「まだ売れてない」お笑いのライブに通うような友達はほぼいないですね。

 

個人の好みだし、誰が何を好きでも全然関係なくて、ただ、劇場のお笑いの世界がどんどん狭く深くなっていった結果として、メディアで見られるお笑いとの乖離が進んで、どんどんそこも分裂してしまうのかもしれないと思ったりします。芸人さんたちはテレビに出ることが目標だったりするのにさ。テレビに出るために劇場でウケようとするとテレビでウケるネタはできない、みたいな、なんかそういうの、ありそう。出典が見つからないので嘘だったら申し訳ないのですが、昔M-1で優勝した漫才師の方のインタビュー記事を読んだ時にも、「M-1用のネタ」「面白いと思うネタ」は分けている、というようなのを読んだ気がしますし。何なんですかね、どこに向かってるんですかね。

 

これからの話

この話にゴールはなくて、私も、みんな!こうした方がいいよ!とかは何もありません。芸人さんたちやライブの主催者の方や昔からずっとお笑いライブに通っているような方は、きっといろんなことをもっとはっきりと感じていらっしゃると思います。どんな思いでお仕事されているのか、いつか聞いてみたいですよね。インタビューとかしたらいいのか。急にハードルが上がるなあ。

 

私はというと、時々はリアルな友達とつながっているアカウントで芸人さんの話をちょっとして見たり、仲のいい友達をライブに連れていくくらいのことをしてみたりもします。クリスマスイブは、まだそんなに仲良くない友達と過ごすのですが、向こうが行きたい映画の後に、私が行きたいライブに行って、どこかで適当に飲みながらその話をします。私は映画には全然関心がなくて、向こうはお笑いはあまり知らないので、ちょうどいいかなと。分裂した世界を改めて繋げられるのも、結局多分自分達しかいないので。そんな話でした。ありがとうございました。